
デジタル商品を海外向けに販売したいと考えたとき、候補になりやすいのが「Etsy」と「Payhip」です。
どちらもオンラインで商品を販売できるサービスですが、仕組みは大きく異なります。Etsyは、すでに買い物を目的とする利用者が集まるマーケットプレイスです。一方のPayhipは、自分のショップを作り、SNSやブログからお客様を呼び込む使い方を得意としています。
この記事では、EtsyとPayhipを手数料・集客力・販売できる商品・使いやすさなどの面から比較します。初めてデジタル商品を販売する方も、自分に合うサービスを選ぶ参考にしてください。
※料金や機能は2026年8月22日時点の公式情報をもとにしています。利用前に各サービスの最新情報をご確認ください。
EtsyとPayhipの違いを比較表で確認
| 比較項目 | Etsy | Payhip |
|---|---|---|
| サービスの特徴 | 世界中の購入者が利用するマーケットプレイス | 自分のオンラインストアを作る販売プラットフォーム |
| 主な集客方法 | Etsy内検索・おすすめ・外部検索 | SNS・ブログ・メール・既存ファンからの誘導が中心 |
| 初期費用 | ショップ開設時にセットアップ費用が発生する場合あり | 無料プランは月額0ドル |
| 主な販売手数料 | 出品料、取引手数料、決済処理手数料など | 無料5%、Plus 2%、Pro 0%+決済事業者の手数料 |
| 出品料 | 1商品につき0.20ドル | 基本的になし |
| 月額プラン | 通常利用は必須月額料金なし | 0ドル/29ドル/99ドル |
| デジタル商品 | オリジナルデザインなど規定を満たす商品 | 電子書籍、PDF、音声、動画、ソフトウェアなど |
| その他の商品 | ハンドメイド品、オリジナルデザイン、ヴィンテージ品など | 物販、オンライン講座、会員制商品、コーチングなど |
| ショップの自由度 | Etsy内の統一された形式 | ストアビルダーや独自ドメインに対応 |
| 向いている人 | 新規のお客様に見つけてもらいたい人 | SNSやブログに集客経路を持つ人 |
簡単にまとめると、集客力を重視するならEtsy、ショップの自由度やリピーター販売を重視するならPayhipが有力です。
Etsyとは?
Etsyは、ハンドメイド作品やオリジナルデザイン、ヴィンテージ品などを世界中の購入者に販売できるマーケットプレイスです。デジタル商品では、テンプレート、イラスト、印刷用データ、PDF、音声など、Etsyの創造性基準を満たす出品者自身のオリジナルコンテンツを販売できます。
大きな特徴は、購入を目的としてEtsyを訪れるユーザーに商品を見つけてもらえることです。SNSのフォロワーが少なくても、商品タイトル・タグ・画像などを工夫すれば、Etsy内の検索からアクセスされる可能性があります。
ただし、販売できる商品には基準があります。一般的なサービス販売や、規定を満たさない既製品の転売などはできないため、出品前にポリシーを確認する必要があります。
Payhipとは?
Payhipは、デジタル商品・物理商品・オンライン講座・メンバーシップ・コーチングなどを販売できるECプラットフォームです。無料プランでも商品数と売上額に上限がなく、販売が成立したときにPayhipの取引手数料がかかります。
自分専用のストアページを作れるほか、クーポン、メールマーケティング、アフィリエイト、クロスセル、自由価格設定など、販売促進に役立つ機能も用意されています。
Payhipにもデジタル商品向けのマーケットプレイスがあります。ただし、掲載には累計10ドル以上の売上と審査が必要です。そのため、販売開始直後はSNS、ブログ、YouTube、メルマガなどから自分でアクセスを集めることが基本になります。
EtsyとPayhipの手数料を比較
販売先を選ぶうえで、特に気になるのが手数料です。
Etsyの主な手数料
Etsyでは、主に次の費用が発生します。
- 出品料:1商品につき0.20ドル
- 取引手数料:注文総額の6.5%
- Etsy Payments決済処理手数料:国ごとに異なる
- 通貨換算が必要な場合:2.5%
- Etsy広告や外部広告経由で売れた場合:条件に応じた広告料
日本の販売者に対するEtsy Paymentsの決済処理手数料は、公式案内では6.0%+0.30ドルです。そのため日本から販売する場合、通常の取引手数料だけを見て「6.5%で販売できる」と考えないようにしましょう。出品料、決済処理手数料、税、必要に応じて広告料なども含めて利益を計算することが大切です。
また、Etsyの外部広告経由で売れた注文には、ショップの売上条件に応じて12%または15%の広告料が発生する場合があります。
Payhipの主な手数料
Payhipの料金プランは、次の3種類です。
| プラン | 月額料金 | Payhipの取引手数料 |
| Free Forever | 0ドル | 5% |
| Plus | 29ドル | 2% |
| Pro | 99ドル | 0% |
Payhipは、どのプランでも基本的に同じ機能を利用でき、売上規模に合わせて取引手数料を下げられます。ただし、Payhipの取引手数料とは別に、StripeやPayPalなど利用する決済事業者の手数料が発生します。
売上がまだ少ない間は無料プランで固定費を抑え、売上が増えてから有料プランへ変更すると無理がありません。単純計算では、FreeとPlusの手数料差は3%なので、月間売上が約967ドルを超えるあたりからPlusの月額29ドルを回収しやすくなります。Proとの比較は決済件数や売上額、為替も含めて判断しましょう。
集客力はEtsyが有利
集客面では、基本的にEtsyが有利です。Etsyには、ハンドメイド品や個性的なデザイン、デジタル素材などを探している購入者がすでに集まっています。検索結果に商品が表示されれば、自分を知らない人にも商品を発見してもらえます。
Payhipにもマーケットプレイスはありますが、販売開始時点から頼れる仕組みではありません。まず自力で10ドル以上を販売し、ストアと商品の審査を受ける必要があります。SNSやブログに一定のアクセスがある人ほど、Payhipを活用しやすいでしょう。
ただし、Etsyに出品するだけで自動的に売れるわけではありません。英語圏の購入者が検索するキーワードを調べ、タイトル、タグ、商品画像、説明文を改善していく必要があります。
ショップ作りの自由度はPayhipが有利
Etsyの商品ページは統一感があり、初心者でも出品しやすい反面、ショップ全体の見せ方には制限があります。購入者からは「ブランド公式ショップ」というより、「Etsyの中にある店舗」と認識されやすい傾向があります。
Payhipでは、ストアビルダーを使ってカラーや構成を整えたり、独自ドメインを接続したりできます。ブランドの世界観を見せたい人、ファンに自分のショップとして覚えてもらいたい人には相性のよい仕組みです。
また、購入者へ別商品を提案するクロスセル、クーポン、アフィリエイト、メール配信との連携なども利用できます。単発販売だけでなく、リピーターを増やしたい場合にも便利です。
販売できる商品の幅はPayhipが広い
Etsyは、出品者が作ったもの・デザインしたもの、選定したヴィンテージ品や一部のクラフト用品などを扱う場所です。創作物との相性はよいものの、一般的なサービスや講座を自由に販売できるプラットフォームではありません。
Payhipでは、次のような幅広い商品を1つのショップで扱えます。
- PDFや電子書籍
- イラスト・テンプレート・写真素材
- 音声・音楽・動画
- ソフトウェア
- オンライン講座
- メンバーシップ・サブスクリプション
- コーチング
- 物理商品
たとえば、最初はPDF教材を販売し、後から動画講座や月額会員サービスへ広げたい場合は、Payhipのほうが展開しやすいでしょう。
税金への対応を比較
海外へデジタル商品を販売するときは、VATや売上税への対応も確認が必要です。
Etsyでは、対象となるデジタル商品のVATなどを購入者から自動徴収し、納付する仕組みがあります。Payhipも、デジタル商品のEU・英国VATを標準で処理するほか、米国・カナダの対象となる売上税への対応を案内しています。
ただし、プラットフォームが購入時の税を処理してくれることと、日本国内で必要な確定申告や所得税・消費税の手続きは別です。売上や経費の記録を残し、不明点がある場合は税務署または税理士へ確認しましょう。
Etsyがおすすめな人
Etsyは、次のような人に向いています。
- SNSのフォロワーがまだ少ない
- Etsy内検索から新規のお客様を獲得したい
- 海外向けのハンドメイド品やデジタル素材を販売したい
- 商品ごとの需要や売れ筋をテストしたい
- ショップの細かなデザインより、出品のしやすさを重視したい
特に、検索されやすいテンプレート、素材、印刷用データなどを販売する場合は、Etsyのマーケットプレイス型の強みを活かしやすいでしょう。
Payhipがおすすめな人
Payhipは、次のような人に向いています。
- SNS、ブログ、YouTubeなどに自分の発信媒体がある
- 販売ページのブランド感を整えたい
- PDFだけでなく、講座や会員制商品も販売したい
- クーポンやアフィリエイトを活用したい
- 商品数が多く、出品ごとの掲載料を避けたい
- 売上の成長に合わせて料金プランを変更したい
すでにファンや読者がいるクリエイターなら、プロフィールや投稿からPayhipへ直接案内することで、自分のブランドを保ちながら販売できます。
EtsyとPayhipは併用できる?
EtsyとPayhipは、どちらか一方だけに絞る必要はありません。役割を分けて併用する方法もあります。
たとえば、Etsyには検索需要のある単品商品を出品し、Payhipではセット商品、講座、メンバーシップなどを販売します。Etsyを新規顧客との接点にし、Payhipを自分の発信から販売するショップとして育てる考え方です。
ただし、Etsyの取引を外部へ誘導して手数料を回避する行為は規約違反になる可能性があります。Etsyで始まった取引はEtsy上で完結させ、外部ショップの案内方法も最新の規約を確認してください。また、同じデジタル商品を複数の場所で販売する場合は、価格、利用規約、ファイルの更新状況を揃えておくと管理しやすくなります。
EtsyとPayhipの選び方

迷ったときは、「誰が商品ページへお客様を連れてくるか」で考えると選びやすくなります。
- プラットフォーム内で見つけてもらいたい:Etsy
- 自分のSNSやブログから集客できる:Payhip
- ハンドメイド品や検索需要のあるデジタル素材を売りたい:Etsy
- 講座・会員制商品・コーチングまで広げたい:Payhip
- まず需要を検証し、将来は自分のショップも育てたい:併用
初心者で集客経路がない場合は、まずEtsyで需要を調べる方法が現実的です。一方、X、Instagram、TikTok、YouTube、ブログなどに読者やファンがいる場合は、Payhipから始めてもよいでしょう。
まとめ|集客ならEtsy、自由なショップ運営ならPayhip
EtsyとPayhipは、同じ商品を販売できる場面があっても、得意分野が異なります。
Etsyの強みは、購入意欲のあるユーザーが集まるマーケットプレイスであることです。手数料の種類は多いものの、SNSのフォロワーが少ない段階でも検索から購入される可能性があります。
Payhipの強みは、月額0ドルから自分のストアを作り、デジタル商品、講座、会員制商品などを幅広く販売できることです。ただし、販売開始時は自分で集客する力が求められます。
「EtsyかPayhipか」だけで考えず、Etsyで新規顧客に見つけてもらい、Payhipでは自分の発信力を活かすなど、目的に合わせて使い分けることも検討してみましょう。
よくある質問
EtsyとPayhipはどちらが初心者向きですか?
出品操作だけでなく集客まで含めると、SNSのフォロワーが少ない初心者にはEtsyが始めやすい傾向があります。すでにSNSやブログから人を呼べる場合は、Payhipも使いやすい選択肢です。
手数料が安いのはEtsyとPayhipのどちらですか?
条件によって異なりますが、Payhipは無料プランで取引手数料5%、有料プランでは2%または0%です。別途決済事業者の手数料がかかります。Etsyは出品料、6.5%の取引手数料、国別の決済処理手数料などがあるため、販売価格と件数を入れて比較することが大切です。
Payhipだけで集客できますか?
Payhipにはデジタル商品向けのマーケットプレイスがありますが、掲載には売上実績と審査が必要です。販売開始時はSNS、ブログ、動画、メールなどから集客する前提で考えたほうがよいでしょう。
EtsyとPayhipで同じ商品を販売できますか?
各サービスの規約や商品の権利に違反しなければ、同じ商品を複数の販売先で扱うことは可能です。ただし、Etsyで始まった取引を外部決済へ誘導しないこと、価格や利用条件をわかりやすく管理することが重要です。
日本からPayhipを利用できますか?
Payhipでは利用可能な決済サービスを接続して販売します。日本から利用する場合は、StripeやPayPalなどの対応状況、受取通貨、為替・出金手数料、本人確認条件を登録前に確認してください。
参考にした公式情報
- Etsy:販売にかかる手数料と税金
- Etsy:国別の決済処理手数料
- Etsy:外部広告の仕組み
- Etsy:創造性基準
- Payhip:料金プラン
- Payhip:サービスの仕組み
- Payhip:マーケットプレイス
- Payhip:デジタルEU・英国VAT


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